夕日になった父？とお客様。

お客様から…「やっと、女将さんの顔が元通りになったね、今日
の女将さんはいい顔してるわ！」とお刺身やお味噌汁を運んだ私
に言ってくれました。

もう…14年越しのこのお得意様の会社の面々。
私がここ「駅前民宿」に来て初めてお世話した団体さんだったと
記憶しています。
沢山のお得意様がある中で思い出一杯の会社。
札幌市内を走っていて、黄色の道路維持の車とすれ違う折には、
ついつい懐かしい顔を探しちゃいます。
「母さ～ん！母さ～ん！」と娘婿さんが私をそう呼んでいた様に
…ね。
女将の一番辛い時に限って、この会社の皆さんが滞在でいるんで
すね。そして励ましてくれるんです。

H17・11月声帯腫瘍の術後歌えなくなった私を、近くのスナック
に招待し、励ましてくれた時、今回の父の不幸の後の私を元気づ
けてくれたのもやはりこの会社でした。
その中の一人の母も91歳で亡くなったばかりだったとか…聞いて、
泣けました。

今日も真っ赤な夕日が見えました。


新ひだか町の曾孫が言うのには…「春(久春の春)じいちゃんがお
はなししているんだよ…クゥーちゃん(私の事)、そうだよね！」
と小さい目に涙がキラリ…私と同じ想い。


一切の儀式を終えて札幌に帰る兄夫婦にも見せた夕日…ヤッパリ
春じいちゃんですかね。

「父さ～ん、あなたの命はやっぱり言われた通りに、この夏限り
でしたね。
今はもうあの春の桜で賑わった二十間道路もこの通り、秋の桜、
コスモスに変わりました…」「父さんの可愛がった曾孫たちも前
向きに…秋を楽しんでいますから心配しないでね」。
コスモスロードを走る私に「お花が一杯入ったお舟で(ひつぎ)空
にいったんだよね…クゥーちゃん？」とポツリ。



まだまだ泣かせてくれそうです。
泣かない女将になりたいのですが…。



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