「駅前民宿のパパとママ、お元気ですか。2007年北海道一周の嵐
(リー・スング・ラン)です。手紙遅く書いて本当にごめんなさい。
いろいろな言葉、言いたいけど、でもどうしても全然書けない。
でもママとパパのことずっと覚えています。今、日本一周の旅を
しています。もう三重県に着いています。今から北海道に行きま
す。１～２か月くらいかかります…。」と、平等院が写っている
ハガキにこんな上手な日本語で書いてよこした台湾の嵐くん(原文
のまま)。
辿々しい言葉の中に彼の私達に言いたい気持ちが、沢山沢山伝わ
って胸が熱くなりました。
私達にあれも話したい！これも書きたい！と思うものの、上手く
書けないそのもどかしさだけが伝わってきて…泣けました。
彼は2007年の夏、駅前民宿に自転車でやってきて一泊したお客様
でした。次の朝にはもう様似～襟裳岬～広尾町～大樹町まで尖り
ロードを走り、別れてしまったのですが、沢山の思い出が出来て
いました。私は一生懸命に黄金道路を走る嵐にもう一度会いたく
て追いかけたのですが、彼の姿はなく泣く泣く大樹町の「道の駅
コスモール大樹」からUターンし、戻ってきていた私でした。
それならば「絶対！新千歳空港で彼に会わなくては～」と決めた
のもこの時でした。
後で彼に聞いてわかったのですが、なんとその時、彼はその「道
の駅コスモール・大樹」にいたんだそうな。
手を伸ばせば掴めるくらいに、すぐ近くいて会えなかったあの日
の悔しさをずっと私も忘れられず過ごしてきていました。
それから数日が経ち、やっと台湾に戻る日もわかり彼に一目会い
たくて新千歳空港に走りました。
一生懸命に願うと思いは通じるもの…なんとあの広い空港内でバ
ッタリ！と会えたのです(それも私の前を歩いて出発ゲートを入ろ
うとしていた彼に)それがこの時の写真です。
別れて以来(新千歳空港で見送ってから)ずっとまた嵐に会いたい
と思っていた私達。
「駅前民宿のパパとママに会いたい…」と嵐の方もいつも思って
いたなんて。
あの時は大学院生の嵐だったが、また成長した嵐に会えるのが楽
しみになりましたねぇ～！
「だから女将業は辞められない！」
北海道のどこかを一生懸命に自転車を踏んで走っている青年を見
かけたら間違いなく台湾の嵐です…「どうぞ皆さん見守ってあげ
て下さいね～！」
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