2011年3月18日金曜日

私にはもうひとつ心配していることがあるのですが…。

「東日本大震災」の起きる午前のこと、私は2人の青年を乗
せ得意の観光案内に車で走っていたのです。

乗せてたのは慶応義塾大学の学生さんでした。
ディーゼルカーで終着駅に着いたものの、行く宛てもなく我
が家の前をぶらり~ぶらり~と歩いていました。

「チョット!あんた達?折角様似まで来て良い景色を見ない
で帰るなんて勿体ないからさぁ~!連れて行ってあげるから
この車に乗りなさ~い?!」
「あっ、はい! それじゃあ~スミマセン!」

午前11時19分で様似駅到着、そして午後12時08分でまた苫小
牧行きに乗って帰る各駅停車の旅をしていたそうです。
ハンドルを握り…、観光名所を慣れた口調で説明をする私に
助手席に乗っていたお父さんも「いゃあ~俺もお母さんの観
光案内を初めて聞いたんだがなかなか上手いんでしょ!」っ
て誉められながら…観光道路~観音山(頂上へは雪があり上が
ることはできませんでした)~親子岩が一望できる海水浴場~
エンルム岬へと走りました。
僅か20分足らずのあっと言う間の観光案内でしたが、この2
人の学生さんにはしっかりと美しい様似町が脳裏に焼き付い
たはず。



2人の乗ったディーゼルカーを見送り、それから僅か2時間3
8分後の「東日本大震災」でした。

観光道路から学生さん達に「あれが高山植物で有名な山、ア
ポイ岳なんだよ~」と指差した時の景色は、今思えばこの絵
の様に不気味な雲でしたねぇ~。

「絶対!また 様似に来ます。ありがとうございました」と
言ってくれたこの学生さん達、 無事に東京まで辿り着けたで
しょうか?
私には未だ安否不明の身内の他に実はこの2人も居たのです。

「あの時の学生さ~ん?元気でしたら必ず電話を下さ~い!」
そして…重ねてのお願いです。
どうか「宮城県本吉郡志津川町字松井田」の状況を知ってい
る方、電話をお待ちしていま~す。よろしくお願い致します。


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