女将冥利につきま〜す

女将の好きな時間は なんだと思いますか？
…それは手紙を書く為のひと時です。

小さい頃から女将の父(現在・91歳ですが)は字が上手…上手というより
味のあるいい字…を書いた人でした。
今は手足の自由が利かずベッドに寝たきりの父ですから、書く事を失った
残念さは、娘の私にはよくわかります。

小学校に入ると習字をならわされました。
だから…筆を持つということには抵抗もなく、一字一字のひらかなが醸し
出す形を覚え…とっても楽しかった記憶があります。
お陰で今この歳？になっても「あ」から「ん」のひらかなを書くときの気
持ちの女将といえば…真っ白い半紙にタップリと墨汁をふくませ、筆を運
んでいたあの日の小さい時の自分になっているんです。

色々なお客様との出会いを更に縮めてくれるのは…大切に書いたひと文字
ひと文字の手紙の「やりとり」だとおもいます。
その人に合った便箋や手作りの花便箋を使い…。
今日も留守していた「駅前民宿」に戻ると先日までの宿泊のお客様からの
お礼の手紙がありました。

女将の机に置かれた嬉しい手紙を開けるこの瞬間。
嬉しいですね。

手紙の主が宿泊した日から…ちゃんと帰ったあとに礼状や感想の手紙が来る
と…「シンジテイマシタ〜」。
反対に「シンジラレナ〜イ」事ばかり起きる昨今ですが…人と人とが優しい
気持ちで向き合い、信じ合える世の中になって欲しいもの。
金、金、金ではなく優しい心、心、心をみんながもって欲しいですね。
今日の手紙のお客様は「良い紅葉を…と楽しみにきましたがまだ早くて見る
ことができませんでした」…と。
残念な気持ちを綴っていました。

あれから一週間がたち、今やっとすこしづつ赤く染め始めてきましたよ！
晩秋の日高路へいらっしゃいませんか〜！
お待ちしています。
それでは、良い日曜日をお過ごし下さいね。





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